沖縄歴史認識懇話会

岡本行夫様より、ご意見いただきました。

著者:okirekikon

岡本行夫様より、ご意見いただきました。

2017.05.24
岡本行夫様よりご意見いただきました。
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1.「琉球処分」と「自己決定権」
*沖縄県外の人たちの多くは、明治12年の「琉球処分」のことをよく知りません。「琉球処分」は日本における「沖縄差別」のみなもとであり、現在の沖縄県民意識に大きな影響を与えているという意見が沖縄県内では聞かれますが、これは歴史的に証明され得るものと思いますか?

→証明され得るとは思うが、現在の沖縄の若い人たちの間でもそのような意識が根付いているとは考えにくいのではないか。

*沖縄県内では「沖縄の自己決定権」確立の動きが見られます。これについては「沖縄差別」意識に基づく「分離、独立」ではなく、地方自治拡大・高度化を求める「沖縄のアイデンテイテイ―」確立の動きであると捉えるべきであるという意見がありますが、皆様はどう思いますか?

→分離・独立ではなく、地方自治拡大・高度化を求める動きであってほしいと思う。

2.沖縄戦の今日的意義
*今年も1945年3月28日に渡嘉敷で起きた集団自決慰霊祭が同村主催で行われました。この事件をはじめ沖縄戦では多くの住民が悲惨な体験を余儀なくされましたが、第2次世界大戦末期日本では沖縄県外でも多くの住民が命を落としましたことも事実です。日本国民にとって沖縄戦の今日的意味はどこにあると考えますか?

→沖縄が本土のために被ってきた多大な犠牲を考えることと、今日、依然として多くの米軍基地が沖縄に集中する問題を解決しなければならないことは直結している。

*翁長雄志沖縄県知事は、在沖縄米軍基地問題に取り組むに当たっては、「沖縄県民の魂の飢餓感」を理解する必要があると政府関係者に訴えています。沖縄県外の人達はこれをどのように捉えるべきでしょうか?

→沖縄が被ってきた犠牲を、本土の人間は真摯に受け止め、考えなければならない。

*沖縄戦=悲劇という直線的イメージだけで沖縄県外の人達が沖縄の米軍基地問題に関心を持ち続けることは可能と考えますか?

→若い世代を中心に歴史感覚が薄れてきている今日、困難になってきているが、歴史教育を含め、啓発していく必要がある。

3.サンフランシスコ平和条約と日米安保条約
*サンフランシスコ平和条約と日米安保条約の締結は、戦後の日本の独立とその後の発展の重要な一歩となりました。同時に沖縄には米国の直接統治という厳しい状況をもたらすものでした。当時日本が独立を達成するために取り得る現実的な安全保障政策は極めて限られていたことを思い起こす時、今日日本国民は、同平和条約発効の1952年4月28日をどのように捉えるべきでしょうか?

→日本が国際社会に復帰したきっかけであり、必要なプロセスだった。同時に沖縄の本土復帰も日本国民にとって重要なイベントであったこともセットで捉えるべき。

*沖縄県内ではまだ多くの人たちが4月28日を「屈辱の日」と捉えています。将来節目の年の4月28日に政府主催「独立記念祭」が行われるような場合、この二つの認識が今後とも長く併存したままであることは日本国民にとって不幸なことです。どうすればこうした状況を克服することができると考えますか?

→国際社会に日本が復帰した日としては重要な記念日であり、政府はその点を強調すべき。同時に、沖縄が取り残されたことへの言及も繰り返しなされるべき。

*平和を希求することは日本の国是であり、全国民の強い願いです。同時に政府として厳しい国際情勢を考慮に入れない安全保障政策を取ることは、実際問題として出来ないことでしょう。理想と現実の間に大きな差異がある中で、サンフランシコ平和条約と日米安保条約締結の歴史的意味を改めてよく考えるとともに、より良い将来の安全保障政策を探求していくという未来志向の姿勢を持つことは可能と考えますか?

→可能と考える。

*地位協定は米軍基地周辺住民の生活に大きな影響を与えるものです。他方、憲法上の制約を抱える日本が地位協定だけ取り出して「対等な関係」を米国に求めるということは可能と考えますか?

→不可能ではないが、先ず地位協定の内容を正しく理解する必要がある。

4.地位協定
*地位協定については、米軍基地が集中する沖縄では「全面改訂」という強い要求が行われていますが、沖縄県外の米軍基地所在地から同様の声は余り聞こえてきません。具体的な問題に即して米軍基地負担軽減措置を政府に要求していくことの方が、地位協定の全面改訂を求めるよりも実際的な効果が上がる、という考えについてどのように思いますか?

→その考えに賛同する。

5.米軍基地関連事件・事故
*沖縄県外には、米軍関係者と沖縄県民の犯罪発生率を比較し、沖縄の日本復帰以降米軍関係者の犯罪率は県民犯罪率に比べてはるかに低くなっているという見方があり、沖縄県内ではこれに反発する声が強いですが、こうした認識の違いをどのように捉えるべきでしょうか?

→客観的な事実、データに基づいた議論がなされるべき。メディアの役割が重要。

*政府の再発防止策ついては、実効性に乏しい、アリバイ工作に過ぎないといったような評価が沖縄県内では見られがちですが、これは実態に合っていると思いますか?

→今後も努力を継続すべき。

*再発防止のための日米協力の余地はまだ多く残されていると考えますか?

→余地は常にあるだろう

*米軍関係者による事件・事故の発生は、特に基地周辺住民に大きな物理的・心理的負担を与えています。歴史認識の違いを議論する前提として、「沖縄賢人会議」において、米軍基地関連事件・事故の客観的な分析を行うことが必要であると思いますか?例えば、より効果的な再発防止策を講じていくためにも、沖縄戦終了後現在に至るまでの期間を幾つかに分けた上で、事件・事故の推移(発生件数、事件・事故の性格、再発防止策の有無とその後の効果、日米協力等々)を専門家にレビューして貰うという考えをどのように思いますか?

→賛成する。

 6.沖縄経済と米軍基地
*広大な米軍基地が存在するために戦後沖縄経済の発展は日本全体に比して立ち遅れてきたという見方ありますが、これを巡っては県内外の人たちの間で、大きな認識上の違いがあるとみられます。この問題については、先ず経済実態について知ることが重要であり、マクロ経済的視点を重視した更に幅広い分析と調査が必要であると思いますか?

→必要だと考える。

*沖縄の米軍基地の存在と沖縄経済振興策との間にリンクがあるのかないのかを巡って大きな意見対立が見られます。この対立は不毛なものと思いますか、それとも、経済実態の論点を整理することによって建設的な議論が可能になると思いますか?

→可能になると考える。

*現行の沖縄振興策は「沖縄21世紀ビジョン」を広く反映していますが、この中でどのように「基地経済」を位置づけしていくべきと考えますか?

→民間主導の自律型経済が主であるべき。

7.沖縄の新潮流
*ソフトパワー重視による現行沖縄振興計画は、「沖縄21世紀ビジョン」を反映したものであり、「沖縄経済の将来」について県と政府間で基本的認識が共有できる環境が整備されてきたことは極めて重要性なことです。これは長年続いてきた「沖縄差別」を克服するきっかけになると思いますか?

→なると思う。

*上記の基本認識の共有は、政府と沖縄県が沖縄米軍基地負担軽減問題に取り組む上でどのような影響を与えると思いますか?

→基地問題についての政府・沖縄県間の対話において信頼関係を作り出すだろう。

*長年にわたって沖縄県民は「基地との共存、共生」という考え方を拒否してきた歴史があります。一方、沖縄の地域特性を発揮しながら、アジアの成長を取り込み、日本とアジア太平洋地域との交流と成長に貢献する地域拠点の形成が沖縄の大きな目標となった現在、米軍基地負担軽減措置の進展が前提とはなりますが、米軍基地の存在は沖縄県がアジアとの経済社会文化等広い分野での連携を強化していく上で、依然として大きな障害にはなると考えますか、或いは、米銀基地といった政治問題と経済等ソフトパワー分野の問題とは切り離して取り組むことが可能と考えますか?

→基地縮小と経済活性化を切離して考えることは可能。

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