沖縄歴史認識懇話会

沖縄歴史認識懇話会の活動終了について

私ども沖縄歴史認識懇話会(「沖歴懇」)は2017年2月1日に設立され、爾来ホームページ等を通じて沖縄の歴史問題や県民の米軍基地負担軽減問題について提言を続けて参りました。

沖縄県民の「物理的」な米軍基地負担軽減問題については、政府と県が直接携わっており、また、既に県内外で有識者、専門家による多数の書物等が出版されています。これに対して「沖歴懇」は、沖縄の歴史について県内外に存在している「認識の差異」を取り上げ、問題点の整理を通じていわば「心理的」側面から米軍基地負担軽減問題にアプローチする活動を行ってきました。沖縄の多くの人たちがいまだに捨てきれない本土に対する深い種々のわだかまりや被差別意識といった「心理的」重荷の軽減に寄与していくため、一石を投じるという趣旨です。「沖歴懇」は、「物理的」負担軽減と「心理的」負担軽減との相関関係性に注意深く対処すべきであるとの問題提起を行い、政府と沖縄県に対し、「物理的」側面と「心理的」側面を同じ土俵で議論できる公的な枠組み「沖縄賢人会議」(仮称)の設置を求めてきました。政府及び県の人選する専門家を通じて沖縄の歴史認識問題について広く議論して貰い、その模様を沖縄県内外の人たちに公表して貰うこと等を通じて、沖縄県民と本土の人たちが共に米軍基地負担軽減問題に取り組む環境を整備するとの考えです。こうした取り組みは日本の中ではまだ十分に行われておらず、「沖歴懇」の活動には意義があると自負してきました。

さて、翁長雄志前沖縄知事の死去に伴い急遽実施された先の県知事選で当選した玉城デニー新知事は、選挙中から政府との対話の重要性を指摘してきました。この結果、2018年11月初めから月末にかけて計4回、謝花喜一郎沖縄県副知事と杉田官房副長官との間で辺野古集中協議が行われました。集中協議最終日の11月28日には玉城知事と安倍総理大臣の間でも会談が行われました。メデイアの報道によれば、4回の集中協議において県と政府は、普天間飛行場の全面返還と同飛行場代替施設の辺野古移設・建設を巡って、それぞれの原則的な立場の説明を中心に、協議を進めた模様です。今回の集中協議から辺野古問題について新たな進展は見られなかったものの、玉城知事の強い要請もあって、今後とも政府は然るべきタイミングで県と対話を行う姿勢を示した由です。このように、辺野古問題について実質的な進展は見られなかったものの、県と政府との間で感情的なやり取りが行われることはなかったようであり、「沖歴懇」としては先ずは対話継続の環境維持を支持します。一方、集中協議終了後数日を経た時点で、政府が辺野古沖への土砂投入準備を始めたことから、県と政府の対立は再び高まっており、今後の対話の行方には早くも暗雲が生じています。

私どもは「沖歴懇」は、設立当初から非営利、中立そして時限的な活動を謳って提言活動を行ってきました。最近では「沖歴懇」は、県と政府との辺野古集中協議についても提言を行いました。しかしこれまでの「沖歴懇」の提言活動に対し政府や県から特段の反応もなく、正直なところ私どもとして現在の形で今後の活動を継続することの困難さを感じました。

政府と県の対話が今後どのようになるか予断は許しません。一方11月9日にホームページに集中協議についての最終提言を掲載し、これまで2年間にわたる「沖歴懇」の活動もここで大きな区切りを迎えた、との思いを深くしました。そこで、時限的活動という「沖歴懇」設立当初の方針もあり、201812月末を以って私どもの活動を終了することにしたいと考えます。

私どものホームページには、沖縄の基地負担軽減問題等について参考になる所見が多く掲載されていることもあり、暫くの間、オープンにさせていただきます。

私どものささやかな活動を終了するに当たり、これまでホームページを読んでいただいた読者の方々にこの場をお借りして深く御礼申し上げます。

(了)