沖縄歴史認識懇話会

月別アーカイブ 3月 2018

著者:okirekikon

横浜市在住の坪井正雄よりご意見いただきました。

政府と沖縄現地の相互不信によって極めて難しい場面に立ち至っている沖縄の基地問題を正面から取り上げて、沖縄県民の歴史認識や日本の基本的な安全保障体制の成り立ちにまで掘り下げて今後の方向を模索しておられる「沖歴懇」の真摯な議論にまず深い敬意を表します。

本土から差別されているという沖縄県民の「沖縄差別」について、明治政府による琉球処分まで遡った歴史的な被害者意識からくる差別観が指摘されていますが、私は太平洋戦争末期の悲惨な戦場体験を原点に,さらには平和条約により日本が国際社会に復帰した後も米国による施政権統治が続き、施政権返還後も沖縄への基地の集中が強化され今日までその状態が続いている「長い戦後」が、県民の本土から差別されているという意識を醸成してきたのだと思います。この点については、沖縄県民の戦後今日までおかれてきた厳しい状況への歴代政権の親身の理解と思いやりが足らなかったと思うと同時に、私自身も含めて日本人全体が沖縄県民の背負っている重荷を理解し認識を新たにしなければならないと痛感します。

一方では核兵器を含むアメリカの抑止力を背景とする日本の安全保障体制と 昨今の東アジアの軍事的緊張状態を勘案して沖縄の地政学的な重要性を考えれば、沖縄の米軍基地は日本にとって不可欠の存在です。従って日米間ですでに合意されている米軍基地の整理統合、すなわち普天間の辺野古への移転は実施せざるを得ないものと考えます。しかしこれは沖縄県民にとって理解はできても、受け入れ難い厳しい現実だと思います。それだけに政府は基地移転を進めるのと並行して日米安保条約に付随する地位協定の改定への努力を進めなければなりません。

沖歴懇の皆様方は、解決が難しいまでにこじれた沖縄の基地問題をあえて取り上げ、政府と沖縄による「沖縄賢人会」を設置してその場で両者の四つに組んだ話し合いを提唱しておられますが、誠に時宜を得たご提案だと思います。両当事者や国民全体がこの問題の認識を深め、ご提案方向に事態が進むよう願ってやみません。